読んでわかるミレニアムシティ その3

ミレニアムシティとは何かをまとめた文章です。サステナブルデザイン国際会議の報告原稿を使っています。

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ミレニアムシティを構想した動機

ここまで聞いて皆さんは、「何それ?」と思われた人も少なくないのではないでしょうか?市民が都市をまるごとつくるなんて考えたこともないし、できるわけがないと……。無理もありません。日本では、現代まで、都市や、町並みや、住環境は、古くはお上や、現在でも行政や営利企業(ディベロッパー・経済)だけがつくってきたからです。一方で海外には市民が自らつくり上げた住環境(ソフトも含む)美しいまちなみ、都市は数多く存在します。なぜ、日本ではできないのでしょうか?……本気でやればできるかもしれない……、そんなことを考え始めるところからミレニアムシティをつくる活動は始まりました。
そしてもうひとつ大きな動機としては、さまざまな活動をしていく中で気づいたことですが、全ての物事や現象は根本のところでつながっていて、一体不可分であること。環境を壊しているのは、結局は自分たち人間の価値観、生活スタイルそのものだということでした。環境問題も身近な社会問題も教育やいじめ問題も老人問題、貧困問題もすべて根本的につながっているということです。
これらを解決するのは、各論の対症療法だけではダメで、今の私たち人間の価値観、生活スタイルを変えていく他に、方法はないと思っています。まさにこのことがパラダイムシフトする必要があると思います。

ミレニアムシティを構想した動機

都市をまるごとつくる

このようなパラダイムシフトを加速させる意味でも、都市(ここでは面的エリアという意味ですが)をまるごとつくるということは大変有効な手段だと思います。たとえば環境蘇生化にも非常に有効です。一本や数本の樹木や苗木を植えることも重要ですが、より面的に樹木の集合体としての森林を再生できたり、エリア全体の蘇生化システムを地域社会全体のもの(プロトタイプ)として丸ごと提案できるからです。そして、実際に実現できた場合には、大きい分、効果は絶大なものとなると共に、次につなげやすい点も重要です。プロトタイプ化された自然環境再生システム自体が、そのエリアを訪れた人々に、そこに住む人々のライフスタイルを体験、共有することなどで直に伝わり、いわば環境蘇生のための体験、教育エリアとしても機能すると思われるからです。
ミレニアムシティはこのプロトタイプとしての新しい都市像を提案し、実際に建設、運営し、次々に環境蘇生エリアを広げていく予定です。これは従来の消費型社会を持続可能型の社会に変えていく為でもあります。 そしてそもそも「都市をまるごとつくることは、簡単かも知れない」というパラダイムシフトにもトライしています。ふつう、「都市をまるごとつくる」ことが簡単だと思う人はいないと思いますが、これをあえて簡単かもしれないと思ってみてください。

都市をまるごとつくる



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